君と優しさはずるい
第15章 副作用②
星菜は熱でもう意識が朦朧としてるな
星菜にいきなり好きって言われて俺は驚いた。そしてそのまま星菜は「怖いって思ってたけど」と言い始めると途中から咳き込み始めた
もういいよ…星菜の言いたいことはわかったから…ありがとな
そして星菜の目の上に軽く手を置いて目を瞑らせ、お腹にも手を置いて一定のリズムで優しく撫でた
すると星菜はすぐに眠った
最後に「私だけの先生でいて」って言ってたけどあれはどういう意味だろう
俺の解釈が正しければ、『私以外の人に先生の優しい笑顔みせないで』かな
「大丈夫…俺は星菜だけのものだから」
俺は眠っている星菜に小さな声で応えた
本当に星菜は無自覚に人を落とす天才だな…、明日になればこの会話星菜は忘れてるだろうな
星菜が俺を好きになってくれることはとても嬉しいけど無理強いはしない。
星菜はまだ高校生だ。これからたくさんの人に出会う。その中で星菜自身が俺がいいって選んでくれるのなら一生星菜を幸せにすると誓う
他の人を選んでも俺はずっとそばで星菜のことを見守っている
まぁ本音は俺だけを見て好きになって欲しいんだけどな…
星菜が嫌がるような処置ばっかりしてるから俺の願いは叶わないかな…そんなの分かりきってる事だし
そしてしばらく星菜のそばにいて保冷剤がぬるくなったら交換して部屋を出て医局へと戻り仮眠の続きをした