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君と優しさはずるい

第15章 副作用②


翌朝

ピピッ

ん……なんか音がした気が……

私は重たい瞼をゆっくりと開けた

先生の顔が見える

「起きた?おはよ」

先生はいつもの無表情に近い表情で言った

「おはょ…ござい…ます……」

私は寝起きで声がかすれてあまり出なかった

「体調はどう?気持ち悪いとか頭痛いとかない?」

先生は私に質問しながら手際よく聴診器で音を聞いていた

そして私は軽く頷いた

先生はそのまま私の首を触ってリンパ節が腫れてないかを確認して喉もみていた。そしてお腹の触診も気づいたら終わっていた

私はとりあえず先生にされるがままで、先生の無駄のない動きに感動していた

そういえば昨日の夜の記憶が全くない…確か先生が部屋に来て薬入れられたような……覚えてないな

あの時私熱が高かったから変なこと言ってないかな…

「…先生」

私は診察を終えカルテに入力している先生に声をかけた

先生はチラッとこっちを見て何?という表情をしている

「…昨日…私なんか言ってた?…記憶がちょっとないし…あの時熱が高かったから…気になった」

先生はカルテをカタカタと入力しながら答えた

「別に。何も言ってなかったよ」

よかった〜!なんか変なこと言ってたらどうしようって思ってたから安心した

私が安堵のため息をついていると先生が声をかけてきた

「そういえばさっき言い忘れてたけどまだ熱は37.8あるから安静にしてて。あと胸の音が良くないから今日も吸入朝と昼と寝る前の3回」

最悪……、せっかく安心して気分が良かったのに今は気分落ちすぎてもう何もやる気出なくなった

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