君と優しさはずるい
第2章 日常
バスを降りて家までの距離は徒歩5分もかからない。その道のりを15分かけて真凰と星菜は歩いた
家が近づくにつれて星菜が止まる回数は増えていった。その度に真凰も止まって星菜を待った
そしてとうとう家の前に着いた
はぁ家に着いちゃった……なんかクラクラする…
星菜はその場にしゃがみ込んだ
真凰は急いで星菜に駆け寄った
「星菜?大丈夫?どうした?」
「大丈夫…少しクラクラするだけ」
真凰はそーっと星菜のおでこ手を当てた
「あつッ!星菜熱あるよ、もう家の前だからすぐ帰ろ」
そして真凰が星菜をおんぶしようとしたが、星菜は断った
「大丈夫…歩ける」
「でもッ……」
星菜は心配そうな真凰の顔を見てニコッと笑った
そして2人は一緒に家に帰った
真凰が玄関のドアを開けると星菜は真凰の後ろから恐る恐る家の中に入った
優兄の靴がない…まだ帰ってないのかな
「優兄まだ帰ってきてないみたいだな」
「うん……そうみたいだね」
2人が玄関で話していると母が玄関へと来た
「おかえりなさ〜いって星菜!あなた顔が真っ赤じゃない!とりあえず着替えて手洗いうがいしたら熱測りなさい」
「ただいま…大丈夫そんなに心配しないでも」
星菜は笑って母にそう言った
「どうしようかしら…和真はまだ病院だし、お父さんと優真はもうすぐ学会から帰ってくると思うんだけどね…。
とりあえず真凰?星菜を着替えさせたら1階に連れてきて」
「わかった。ほら星菜行こ」
そして真凰は星菜の荷物を持って一緒に階段を上って2階へ行った