君と優しさはずるい
第16章 中庭へ
そして私達が話に夢中になっていると後ろからある人物がやって来た。
「ねぇ。先生朝なんて言ったか覚えてないの。」
私と美桜ちゃんは2人揃ってビクッとした。
咲月先生は美桜ちゃんの方を見て軽く会釈すると私を叱り続けた。
「やっと熱下がって落ち着いたのに同じことを繰り返したいの?はぁ……。なんで大人しく出来ないかな。とりあえず帰るよ」
咲月先生はそう言うが私はベンチから立たなかった。美桜ちゃんは私が怒られている間知らないふりをしていた。
「まぁまぁ玲?そう言うなって!ほらたまには息抜きが必要でしょ?ねぇせな?って美桜ちゃんまでいるじゃん!」
咲月先生と一緒に来たであろう私のお兄ちゃんの優にぃがそう言った。
「あれ〜?なんで美桜がここにいるのかな?」
優にぃの後ろからある人物がでてきた。
「…………」
美桜ちゃんは優にぃの事もその先生の事も無視していた
「えっ!佐々木先生。お久しぶりです。」
「あら星菜ちゃんじゃん!お久しぶり〜元気にしてた〜?」
「それなりにです笑」
「兄妹お揃いの姿を見るのは久しぶりだね〜」
佐々木先生がそう言うと美桜ちゃんは少し驚いた顔をしたがすぐに顔を背けた
佐々木先生は私の元担当医でお世話になった。あの時は先生の優しさが嫌で当たったこともある。本当に申し訳なかった