君と優しさはずるい
第16章 中庭へ
「星菜ちゃんと美桜仲良くなったの?」と佐々木先生が興味津々に聞いてくる
「あっはい、さっきたまたま隣に座って会話して仲良くなりました!」
「そうなんだね!美桜と仲良くしてくれてありがとう〜」
「いえいえ!こちらこそです!」
「さて美桜さん?あなたさっきから私関係ないですよみたいな顔してるけどなんでお外に出てるのかな〜?この時間はお部屋にいてねって約束してたはずなんだけどな〜」
これは佐々木湊先生の怒ってる時だ。普段からニコニコの優しい先生だが怒り始めた時は顔は笑っていても目が笑っていない。
この顔になったら怒られるって覚悟しなくちゃいけなかった。私も何回怒られたことか……
「黙ってないで謝りなさい。看護師さん達も手伝って探してくれてたんだよ。あとでお父さんにも報告するからね」
湊先生がそう言うと美桜ちゃんは目を見開いて驚いたあと先生の目を見て訴えた
「まって!お父さんには言わないで……。ちゃんと言うこと聞くから」
「それは美桜次第かな?今からの美桜の様子で決めます。ほら帰るよ」
湊先生は美桜ちゃんの手を引いて立たせると一緒に病棟へと戻って行った
「せなちゃんまたね〜!望月先生も早く戻ってきてね」
と湊先生は手を振ってくれた。美桜ちゃんは先生の後をトボトボと歩きながら着いて行った
「俺達も帰るよ。そして星菜はお説教」
優にぃは苦笑いだった
私は咲月先生に手を引かれ自分の部屋へと帰った。優にぃは私を部屋まで見送ったあとすぐに小児科まで戻った