君と優しさはずるい
第16章 中庭へ
「で?なんで星菜は外にいたわけ?」
先生は私のベット脇の椅子に座って私を見ている。声が低い。とても怒ってる
「………………」
なんて言おう……気がついてたら外にいたなんて言ったら変な病気と思われそうだし言えない
「黙ってないでなんか言ったらどうなの」
「……分からない」
「分からない?これじゃ先生星菜の事信用出来ないな」
「…ごめんなさい」
私は下を向いたままそう言った
「まぁいいや。反省してそうだし。それより先生は大事な話をしに来た」
大事な話……?なんだろう……
病気な事かな
星菜は顔を上げ少し不安な表情をした
「大丈夫。星菜の病気が悪化したとかそういう話じゃないから」
よかった、安心した
「先生明日から3日間学会で少し遠くに行くから少しの間だけ担当医が変わることになった」
「えっ……?」
私は不安な表情をまた浮かべた
先生以外の先生に診察されるってこと……?
「いやッ…先生以外は嫌ッ」
「せな…その言葉嬉しいけど少しだけ我慢してくれる?何かあれば優真に相談しな?お兄ちゃんも時間を見つけて星菜に会いに来るみたいだから」
先生はさっきとは打って変わって優しさを含む笑みを浮かべている。
だからこそ断りづらかった
「本当に3日間だけ……?」
「うん。もし早く帰れそうだったらすぐ帰ってくる。」
「分かった」
「本当?偉いな〜。せな?冷蔵庫開けてみて」
先生は私の頭を撫でてそう言った
なんだろう……?そう思って冷蔵庫を開ける
するとそこにはプリンが入っていた
「先生!プリン!これ食べていいの?」
「うん。いいよ」
「やったありがとうー!」
星菜は満面の笑みをうかべた