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君と優しさはずるい

第3章 優兄の診察


「ありがとね、真凰」

優真は真凰の頭をポンポンと撫でてニコッと笑った

優真は自室から持ってきて往診セットをソファーに置いた。そして星菜のおでこに手を乗せた

「んー少し熱いな…」

優真が星菜のおでこに手を乗せると星菜は目を覚ました

「んッ…ゆ…に…」

「ごめんね起こしちゃったね…少し優兄に星菜の体診せてな?」

優真は星菜の頭を撫でながら言った

寝ぼけていた星菜はだんだんと自分の状況が掴めるようになってきた

「……やだッ…診察受けない…」

星菜は優真たちとは反対の方向を向いた

「せな〜?まだお腹は診ないからね?和兄の診察と同じことしかしないから大丈夫だよ、少しごめんね〜」

そして優真は星菜の脇にそーっと体温計を挟んだ


星菜自身も体がキツいのか、抵抗することは無かった

ピピッ

「38.2か…まおー、せな帰ってきた時何度だった?」

優真は近くに座っていた真凰に尋ねた


「確か37.8だった。母さんが解熱剤飲ませてた」


「解熱剤が効いてないのかな…和真がお腹の動きがあまり良くないって言ってたし気になるな」


「真凰ありがと〜、ついでに頼みだけどちょっと和室のふすま閉めてくれる?」

星菜を和室に連れていくという意味を真凰は分かっているから黙って頷いて和室へと行った

望月家の和室はリビングの中にある。和室だけは少し段差があって基本的には襖は全部空けられ開放的な感じである

真凰は優真と星菜が通るところ以外の襖を閉めた

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