テキストサイズ

君と優しさはずるい

第3章 優兄の診察


和室に入ると和真が空気清浄機をつけて、和室に敷かれた布団の上にバスタオルと吸水マットを敷いてくれていた


星菜は和室に入った途端俺にしがみついて離れようとしなかった

「せな?ほら和室着いたよ〜、お布団にゴロンしよ?」

「ヒクッ……グスッ…」

星菜はしゃくりを上げながら泣き、ただ俺につかまる力を強めた

俺はただ星菜を安心させるように撫でた

5分程この状態でずっと星菜の頭を撫でた。そろそろ始めようかな

和真に目で合図を送ると、和真は俺から星菜を無理やり引き離した

「せな、優兄から離れて」

星菜は目から涙をボロボロ流しながら泣いた

そして和真は星菜を横に寝転がせ自分も星菜の隣に横になり、星菜の足を自分の足で挟んで固定して動かないようにした

星菜も諦めたのか和真に抱きつきて涙を流している

本当に妹をこんなに泣かせるのは心が痛いし辛い。それは俺だけじゃない。和真だって切ない顔をしている。

でも星菜が病気でもっと苦しんでいる姿を見たくないから心を鬼にした今から診察をする

ストーリーメニュー

TOPTOPへ