君と優しさはずるい
第2章 日常
「ごめんな、真凰気使わせて」
和兄が座っているソファーに俺も座ると和兄が小さな声で俺にだけ聴こえるように言った
「別に大したことない。俺も星菜が苦しんでる姿見たくないだけだから」
和兄は微笑んで俺の頭を撫でた
「真凰もいいお兄ちゃんになったな」
「うるさいな、早くして?次は星菜にしてもらわないといけないから」
俺の耳は照れくささから少し赤くなった
「そうだな。じゃあまず体温から計って。パジャマは浮かせるだけでいいから」
真凰は和真から体温計を受け取るとすぐに体温を測った
ピピッ
「和兄、36.1だった」
「いつも通りだな。次は胸の音聞くから大きく深呼吸な」
真凰は大きく深呼吸をした
「音も問題ない。最後口開けて…はいいいよ」
「和兄ありがと」
真凰は和真にお礼を言って星菜の方へと行った
星菜は颯真に頭を撫でられていた
「ほら俺終わったんだから、お前も受けろよ。約束破ったら次は嘘つき女って言うからな?」
「……うるさい…私嘘つきじゃないし」
フォローするように颯真が星菜の背中を押した
「ほらいっておいで?お兄ちゃんと真凰は準備しないといけないから今から部屋に戻るよ!今のうちに診察してもらいな」
そして颯真は真凰を連れて2階へと行った