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君と優しさはずるい

第7章 診察


優真が出て行った診察室では星菜が声を出して泣いていた

俺だって星菜には酷なことをしてるってわかってる。さっきはさっき今は今って自分でも言ったけど頑張ったことには変わりないもんな…

でもそんなこと言ったらキリがないし、前にも進めない。俺は星菜にどんなに泣かれようが前に進ませてあげたい

今だってずっと優真がいたら黙って下を向いてただ泣くだけ。これじゃ進めない

だから優真に一旦外に出て行ってもらった。星菜が頑張るって言ったら優真に戻ってきてもらう予定だ。

星菜にとって優真は安定剤に近いものだから優真がそばにいる時はなるべく一緒にいさせてあげたい。

優真は星菜が小さい時からずっと寄り添ってあげていたからな。そろそろ星菜を泣き止ませるか

「ヒクッゆうに〜グスッ…やだ〜ヒクッゆうに〜ヒクッごめんなさ〜い泣」

玲は泣いている星菜の目線の高さに合わせてしゃがんだ

「星菜今からどうするの?星菜が頑張るって言ってくれるなら優兄戻ってきてもらうけど」

「ヒクッ…頑張るグスッ…頑張るからゆうにヒクッ…」

「わかった。今から優兄連れてくるから先生たちが戻ってくるまでに泣き止んで横になって待ってること約束できる?」

星菜は泣きながらうんと言ってくれた

俺は近くに置いてあった星菜のお気に入りのタオルで星菜の涙を拭いて頭をポンポンと撫でて優真を呼ぶために一旦診察室を出た

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