君と優しさはずるい
第7章 診察
「せな、今から診ていくよ、今の調子で優兄と深呼吸しててね」
俺は星菜にそう声をかけると、バスタオルを少しめくって直腸温度計を入れた
痛みがあるせいか体に力が入っていたみたいだが、深呼吸は続けてくれている
ピピッ
38.8
やっぱり高いな…
俺は星菜の呼吸に合わせて指を挿入した
「んッ!…イタイ…んッ…ハァ…」
中が腫れてて狭いな…少し奥まで入れるか
「少し奥まで入れるよ、ごめんな」
星菜は痛みから涙がポロポロと流れてきていた
「痛いな〜、せなあともう少し頑張れ〜」
優真が星菜を慰めていてくれている間に終わらせないとな
俺は指を抜くとすぐに肛門鏡を入れて中を診た
真っ赤だな…とりあえず星菜には入院してもらって詳しい検査しようかな
今は液体の薬を入れて腫れを抑えて、午後にカメラ入れて中を詳しく診る感じでいこうかな
器具を抜いて、ゴム手袋を外し、星菜の下着とズボンを元に戻した
「星菜お疲れ様、終わったよ」
看護師さんも固定をやめて、優真は星菜の頭を撫でた
「少しお話ね、星菜もよく聞いて。少し入院しようか、今からお尻にお薬入れてそのまま病棟に行って午後にカメラでお腹診ようかなって思ってる。星菜は入院してくれる?」
来る途中優真が入院するかもって言ったのか星菜はあまり驚くこともなかった
そして星菜はうんと小さく頷いた
「先生と一緒に頑張ろうな」
俺は星菜の頭を撫でた
「じゃあもう1回横向いてな…すぐ入れ終わるから大丈夫だよ」
不安そうな顔をする星菜に声をかけサッとズボンと下着を下ろしてカテーテルを挿入し注射器から薬液を入れた
「ん”ッー!…ハァ痛いんッ…ハァハァ…痛いッ…」
星菜はベットのシーツを握りしめて痛みに耐えた
腫れてるから薬が染みるんだよな
「終わったよ、少ししたら痛いのもなくなるからな。泣かずによく頑張りました。またあとでな」
そして優真はそのまま星菜を抱き上げて診察室を出た