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君と優しさはずるい

第10章 頑張る時間


「せな〜?いやいやは終わりだよ?すぐに終わるからね?優兄と玲くんと手を繋いでたらすぐ終わるから頑張れ」

そして優真からせなちゃんを抱き上げて右手だけ出してあとはせなちゃんをバスタオルでくるくると巻いた

「パパぁぁぁヒクッ…いや〜グスッ…ゲホッゴホッゴホッ泣」

せなちゃんは大粒の涙を流していた

「優真、ちょっとせなを抑えててくれる?玲くんはせなの顔がこっち向かないように気をそらしてくれるとありがたいな」

そして優真はせなちゃんの右手を抑えて、俺はせなちゃんの頭の方に回ってただひたすら頭を撫でた

「よしせなごめんな〜、頑張れ〜」

そしてサクッと手の甲を消毒して針を刺した

針を刺した瞬間せなちゃんは火がついたように泣き始めた

「いやぁぁぁッグスッ…ゲホッ痛い痛いよグスッ…ヒクッうわぁぁぁん泣」

「せな頑張れ〜」

優真もせなちゃんを励ましていた

そして針を刺して固定も終わり、お父さんは点滴を繋げていた

「せな頑張ったな〜!お兄ちゃんが抱っこしてあげるからな〜」

そう言って優真はせなちゃんをバスタオルから出して抱き上げた

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