君と優しさはずるい
第11章 入院
せなちゃんのベットに座って俺の膝の上にせなちゃんを乗せて優しく撫でてあげると少しづつ落ち着いてきた。
担当医の先生は忙しいみたいで直ぐにどこかに行った
せなちゃんは昨日の様子と今日の様子から病院が苦手なんだろうな…
まぁ病院が好きって人の方がいないと思うけどな
せなちゃんはずっとままって呼びながらしくしくと涙を流していた
「ヒクッ…ママグスッ…ママヒクッ…1人にしないでグスッ…1人は怖いグスッ…さびしいよヒクッ…泣」
ここの病院は入院中保護者に会える期間が短い。その代わり看護師さんのケアはとても充実している。でもやっぱり小さい子にとっては親の存在の方が大きいはずだ
たぶんせなちゃんは今まで何回も入院してきている。その度に寂しいって思って1人っていう怖さと戦っていたんだろうな
俺はせなちゃんを少し力強く抱きしめた
「大丈夫。せなちゃんは1人じゃない。僕がこれからずっと一緒にいるから1人じゃない。せなちゃんは寂しくないからもう泣かないで」
せなちゃんは俺がギュッと抱きしめたことに驚いたのか見上げて俺の方を見た