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君と優しさはずるい

第11章 入院


それから時は経ち、心臓移植を受け日本の高校は中退してアメリカの高校を卒業してアメリカの医学部を出た

アメリカに来る時母さんは心配だからと着いてきたが、父さんは仕事があるため日本に残って家はまだ星菜の近くのままだ

そして研修医となる時に日本に帰ってきて俺がお世話になった病院で研修を受けた

星菜にまた会えるかなと思っていたが同時に9年間会ってないのだから忘れてしまったかもという不安もあった

小児科で研修をしている時入院している子のリストに望月星菜という名前があった

カルテを見てみるとそこには癌の治療をしているとあった。俺はこの時肝が冷えた

せっかく星菜に会えたのに失ってしまうのではないかという怖さから

そして俺は星菜の担当につくことが出来た。その時優真は他の科で研修を受けていた


久しぶりに会った時星菜は俺の事を覚えていなかったみたいだった

星菜は今13歳だからこれからたくさん恋愛をして楽しむ時期になる。それを俺が昔の話をして星菜が自由な恋愛をすることが出来なくなるのは避けたかった

だから俺は初めて会う振りをした

星菜は昔と同じように明るく振舞っていた。でも夜は毎日泣いていた。見回りの看護師さんにも気づかれないように本当にこっそり

病室に1人でいる時はいつもぼーっとして悲しそうな寂しそうな顔をしていた

だから俺は暇さえあればなるべく顔を出した。夜も1人で泣かせないようになるべくそばにいた

優真と一緒に星菜の部屋を尋ねる時は決まって優真にぎゅっと抱きついていた。帰りたいと泣くこともお薬止めたいという時もあった

昔と変わったのは注射では泣かなくなったことかな。あとは変わっていなかった。

診察では場所も場所なだけにいつも全力で嫌がって中々診察が進まないこともしばしば。

そして俺は研修を終え、消化器内科医になり、星菜が俺の担当となって今に至る

俺が他の科で研修を受けている間に星菜は病気が治って退院出来たみたいだった


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