君と優しさはずるい
第12章 優しい先生
「星菜?今日は星菜が嫌なことはしないから安心して大丈夫。あと少しだけ先生とお話しよ?」
これで1つ星菜の不安は無くなったかな。でもまだまだ不安はたくさんある
「まだ確定したわけではないけど、星菜が中学生の頃頑張って治した病気覚えてる?」
俺がそう言っただけで星菜は多分俺が今から言うことを理解した
そして星菜はうんと静かに頷いた
「その病気がまた星菜の体で悪さしてる。だから先生と一緒に頑張って治そ?星菜は頑張ってくれる?」
星菜は顔を上げて俺の方を見た
そして目には涙をためていたが、流さないように我慢してニコッと笑った
「うん、ずっとそんな気がしてた。私頑張るから先生が治してくれる?」
「うん。先生が星菜の病気治す。約束する。」
「ありがとう、先生」
医者に絶対っていう言葉は無い。でも星菜だけは何があっても俺がどうなろうと治したい。いや治して元気な生活をプレゼントしたい
そしてこんなに無理をした笑顔をさせたくない
俺は星菜をそっと抱きしめた
「星菜?今は無理しなくてもいい。泣きたいなら泣いてもいい。嫌なら嫌って言ってもいい。弱音を吐いてもいい。だからそんな苦しそうな笑顔はしないで。お願いだから」
星菜はたくさん涙を流した。小さい子どものように
「ヒクッ…本当は嫌だグスッ…治療怖いヒクッ…怖いよグスッ…1人になりたくないグスッ…ヒクッ…泣」
しばらく俺は星菜が泣き止むまで頭を優しく撫で続けた