君と優しさはずるい
第12章 優しい先生
あれからどれくらい泣いたんだろう……涙が落ち着いてくると先生は保冷剤を持ってきて私の目にあてた
「たくさん泣いたから目が痛いでしょ?これで冷やしておきな」
「ありがとう」
そして先生は私の近くに来てまた座った
「せな?これから治療が怖くて嫌な時が来ると思う。でも先生は今まで通り、ダメなものはダメって言うと思う。でもそれは星菜を苦しませたいからじゃない。何もせずにただ星菜が苦しんでいる姿を見たくないから。先生たくさん星菜のこと怒るかもしれないけど星菜もたくさん先生に当たっていいからね?我慢しないでたくさん気持ちぶつけていいから。先生星菜の全てを受け入れる覚悟でいるから」
なんか咲月先生がいると頑張れそうな気がする
「出来ればあまり怒らないでほしいです…」
私は最後になるにつれて声がだんだん小さくなった
「ふふ笑、それは星菜がいい子にしてたら先生も怒らなくていいから星菜しだいだね」
先生はそう言って最後はニヤッと笑った
「やっぱり優しくない」
私はぷくっと頬をふくらませてボソッと言った
先生は笑いながら頭をポンポンと撫でた
不覚にも先生の笑っている顔にドキッとしてしまった。いつも笑わない人の笑ってる顔みたら誰でもドキッとするよね…
しかも先生めっちゃイケメンだし…これは仕方ないこと…
私は自分自身にそう言い聞かせた