君と優しさはずるい
第12章 優しい先生
「あと1つ言い忘れてた。」
そう言って先生は私と同じ目線までかがんだ
「星菜は1人じゃない。俺がずっとそばにいるから。怖くなったらいつでも俺の事呼んで。時間とか気にしなくていいから。これ俺に直で繋がるボタン。これを星菜が押したらすぐに星菜の所に来るから」
そして先生は私にドクターコールを渡した
1人じゃない。俺がそばにいるからって前に誰かに言われたことがあるような気がする……
私が少し考えていると先生はいきなり体温計を私の脇にさして来た
当然私はビクッとした
「動かない。今体温測ってるから」
動かないっていきなり体温計をさしてきたらびっくりして動くでしょ
まぁ思ってもこんなこと口に出せないんだけど
ピピッ
先生は音が鳴ると直ぐに抜いた
表示された数字を見たあとすぐに私のおでこに手を当てた
先生の手ひんやりしてて気持ちいい
「星菜今暑い?それとも寒い?」
えっ?別になんともないけどな
「別になんともないけどなんで?」
「星菜今熱あるの気づいてないでしょ?」
えっ?熱?朝より体が楽になってたからもう治ったと思ってたけど……
私がぽかんとした顔をしていると先生はため息をついた
「はぁ……。今星菜熱38度超えてるんだよ?解熱剤持ってくるからちょっとまってて」
熱?38度?解熱剤?それって座薬?
先生はそう言って部屋を出ようとした