君と優しさはずるい
第12章 優しい先生
星菜は分かりやすく俺を引き留めようとしている。多分俺が解熱剤取りに行くって言ったから座薬入れられるって思ってるのかな
そして星菜は俺から離れたくないって言い始めた。俺を止める口実だったとしても俺はそう言って貰えて嬉しいな
まぁ俺が別に取りに行く必要は無い。ナースコールで持ってきてもらえばいい話なんだ
そのことを俺が言うと慌ててナースコールを握って布団の中に隠した
本当に必死だな笑
とりあえず星菜を落ち着かせた。座薬はしない。点滴だけってことを伝えると頑張るって頷いてくれた
星菜が小さい時はチックんやだ〜って泣いてたけどそこは成長したな
そして俺は解熱剤と痛み止めの薬を取って星菜の部屋に戻った
トントン
ドアをノックして星菜の部屋に入る
星菜は口では頑張るとは言ったもののやっぱり嫌になったのか布団に潜っていた
俺はとりあえずトレーを近くの机の上に置いた
「せな?1回だけチクッとすれば終わり。大丈夫だから少し頑張るよ。出ておいで」
俺がそういうとしばらく無言だったが、覚悟を決めたのか布団から出て自分から袖をまくってくれた
俺は星菜を褒めた
「偉い偉い。腕は動かさないように頑張ってな。少し痛いよ」
俺はそう言って星菜の左腕をサッと消毒して針をさした
一瞬痛そうな顔をしたがあとはいつも通りの顔になった
俺はそのまま固定して薬を繋げた