君と優しさはずるい
第12章 優しい先生
「飲まないの?」
「飲むよ…ちゃんと飲むけど…まだ……」
ずっと薬を見つめている星菜に声をかけた。飲みたくないんだろうな。いつもの薬(小さい錠剤2つ、少し大きめの錠剤1つ、カプセル1つ)に加えてカプセルが2つに増えている。
星菜は薬を飲むことが苦手だ。比較的元気な時は薬を飲むのに時間がかかる。体調悪い時はそれどころじゃないからゴクッといけるらしいけど
朝は早く薬飲まないと真凰くんに置いて行かれるらしいからゴクッと飲んでると優真から聞いた
「まだっていつ飲むの?いつ飲んでも嫌なものは嫌なんだから今すぐ飲むよ。まず小さいのと少し大きい錠剤を一気に飲みな」
「そうだけどさぁ……ぅん…」
星菜は納得いかなさそうな顔で薬を見つめていた
これは飲みそうにないな。
俺は星菜の部屋の冷蔵庫に入っている錠剤と一緒に飲むゼリーを出して薬と混ぜた
まず錠剤を3つとゼリーをスプーンですくった
「口開けて」
少し間を置いて星菜は口を小さく開けた。俺はその隙間からスプーンに乗っていたゼリーと錠剤を一気に流し込んだ
「ほら一気に飲み込む」
星菜はゴクッと一気に飲んだ
「ちゃんと飲めたじゃん。あとカプセル3つ。1つずつにする?それとも一気に飲む?」
星菜は小さな声で1つずつといった
3つあるカプセルのうち2つはあまり大きくないが、1つ普通のカプセルよりも一回り大きいカプセルがあった
俺はとりあえず小さいカプセルの方を飲ませた
さっき一気に錠剤を飲んだおかげかコツが掴めたみたいで2つのカプセルを飲むことが出来た
問題はこの一回り大きいカプセル