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君と優しさはずるい

第12章 優しい先生


こんなに大きいカプセル飲めるの?

ていうか私ゼリーを使って飲むの初めて。いつも水で飲んでたから

嫌だな……こんな大きいカプセル飲めないよ…

「これで最後。これ終わったらもう休んでいいから。少しだけ頑張るよ」

先生はスプーンに少し多めのゼリーと例のカプセルをのせて私の口まで運ぼうとしてきた

私は反射的に顔を逸らした

「せな。」

先生の低い声が聞こえる。でもそんな大きいの飲めないんだもん

「そんな大きいの飲めない…それ飲まないとダメなの?……」

先生はスプーンをお皿に戻した

「飲まないとダメ。大体飲まなくていいなら先生処方しないから」

先生は真面目な顔で私の目をしっかり見て言った

それもそうだね……でもやっぱり飲みたくないというか飲めない

「でもそんな大きいの無理だよ…飲めない!」

「このお薬は腸の炎症を抑えてくれるお薬。いつもは座薬とか液体の薬を直接お腹に入れてたけどそっちにする?
先生今日星菜が検査頑張って検査したところが痛いかなと思って飲み薬に変えたけど座薬か液体の薬もってこよっか?先生はどっちでもいいから星菜が決めて」

先生は私の目を見て言った

この薬飲まなかったら座薬か外来の時に先生が入れたあの染みる薬ってことでしょ?……全部嫌だよ……

お腹痛いの我慢するから全部やらない…やりたくない…

私は先生にそう言おうと口を開こうとした。するとすかさず先生が言った

「痛いの我慢するから全部しないはないよ。絶対どれかしないとダメ。星菜が決めれないならもう先生が決めるよ?先生的には即効性がある液体の薬がいいと思ってるけど」


先生には私が何を言おうとしてたのか全てわかっていたみたい…

このままじゃ先生本当に液体の薬取りに行っちゃう……


どうしよう……

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