キス魔は浴衣で燃える
第1章 1.お誘い
「じゃあ奥の手。これで納得して」
その仕草にくすくす笑っていたら、慶人がどこからか封筒を取り出しその中身を俺に翳した。
「お?」
チケットのようなそれに顔を近づけて見てみれば、そこに輝くは「株主様特別優待」の文字。
「こ、これは、噂に聞く株主優待券……!」
初めて見た。
こういうものがあるとは聞いたことがあるけど、実物なんて当然見る機会がなかったから、こうやって実際目の前にすると妙な迫力を感じる。
これを使うと半額になるんだとか。つまり一人分が浮くようなもの。
「すげー! かっこいい! どうしたのこれ」
「俺と天の関係をお祝いして両親からプレゼント」
ご両親。
思わずぱちくりとまばたきをしてみれば、慶人は複雑そうな顔をして見せる。
結婚を勧めてくるご両親に対して偽物の恋人のふりをしようとしたのは記憶に新しい。そしてその二人から普通に認められてしまったことも。
「なんだかんだ言ってご両親から愛されてるよね慶人」
「どちらかと言うとこれは天にだけどな」
……普通に旅行券をプレゼントされるよりこの方が受け取りやすいと考えられているのなら、当たり。だって今まさにテンションが上がってしまった。
どうやら俺たち二人とも、まだまだ手のひらの上で転がされてるレベルなのかもしれない。
「これ使いたいから旅行付き合ってくれる?」
こんな手まで用意されたら、駄々をこねてる俺がいかにガキっぽいか思い知らされるじゃないか。
これを送ってくる慶人のご両親も、この順番で出してくる慶人も、樫間家は揃ってやり手のようだ。
「慶人ってホント隙がないんだから」
その仕草にくすくす笑っていたら、慶人がどこからか封筒を取り出しその中身を俺に翳した。
「お?」
チケットのようなそれに顔を近づけて見てみれば、そこに輝くは「株主様特別優待」の文字。
「こ、これは、噂に聞く株主優待券……!」
初めて見た。
こういうものがあるとは聞いたことがあるけど、実物なんて当然見る機会がなかったから、こうやって実際目の前にすると妙な迫力を感じる。
これを使うと半額になるんだとか。つまり一人分が浮くようなもの。
「すげー! かっこいい! どうしたのこれ」
「俺と天の関係をお祝いして両親からプレゼント」
ご両親。
思わずぱちくりとまばたきをしてみれば、慶人は複雑そうな顔をして見せる。
結婚を勧めてくるご両親に対して偽物の恋人のふりをしようとしたのは記憶に新しい。そしてその二人から普通に認められてしまったことも。
「なんだかんだ言ってご両親から愛されてるよね慶人」
「どちらかと言うとこれは天にだけどな」
……普通に旅行券をプレゼントされるよりこの方が受け取りやすいと考えられているのなら、当たり。だって今まさにテンションが上がってしまった。
どうやら俺たち二人とも、まだまだ手のひらの上で転がされてるレベルなのかもしれない。
「これ使いたいから旅行付き合ってくれる?」
こんな手まで用意されたら、駄々をこねてる俺がいかにガキっぽいか思い知らされるじゃないか。
これを送ってくる慶人のご両親も、この順番で出してくる慶人も、樫間家は揃ってやり手のようだ。
「慶人ってホント隙がないんだから」