無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「んっ、あ」

　その直接的な刺激に息を飲み、腰が引けそうになったけど、脚を持たれているせいで逃げることも叶わず。
　自分でするのとはまったく違う、制御の利かない刺激の与え方に頭がくらくらした。

「ちが、ねぇ、慶人……っ」
「わかってる」

　いつもそういう風に、自分だけが気持ちよくなるんじゃなくて、俺もちゃんと良くなるように色々と触ったり舐めたりして愛撫してくれる。それはわかってるし、あまり急かしすぎるのも良くはないとわかってる。
　それでも、気持ちいいけど今欲しいのはそれじゃないと荒い息の合間に訴えると短い答えが飛んできた。
　そして散々俺を高ぶらせたその指が、ギリギリの状態で不意に離れ、後ろへと滑る。

「あっ……ん」

　濡れた指がつぷっと潜り込み、そのまま奥へと探られて息を詰めた。
　何度もしているせいで俺の体のことをすっかり把握している慶人は、慣らすだけじゃなく的確に俺をとろけさせていく。
　早く欲しいと思うし、恥ずかしいとも思う。
　そうやって色んな気持ちがない混ぜになっている思考が、慶人の指が与えてくれる快感でどんどん溶けていってしまう。
　気持ちよさに支配される。

「あ、ぁ、けーと」
「ココ、だろ？」
「ん、んんあ、ああ……っ」

　指先で刺激されるそこから腰が抜けるような感覚が沸き起こって、抑えきれない声が洩れる。
　枕の端を握って、何回もしてるくせに未だに慣れない感覚に悶えて喘いだ。こんなみっともない声出したくないのに、どうしても止まらない。