慕情
第3章 紫仙の過去
「へぇ~…それで俺らに惚れたって事かぁ」
神楽は
指で顎を、なぞりながら笑っていた…
続けて神楽は…
「悪いけど…お断りだな…
名家のご息女は別嬪だけど好みじゃないし…
我が儘だ…その両親も…煩そうだし…
俺は、どちらかと言うと貧乏で質素な生活
でも良いから愛を選ぶね…それから…」
「それから…別嬪で可愛らしい…
自分を甘やかしてくれる姉上でもあり
貴女様でもある人が良いんでしょ?」
泡沫はチラリと
神楽を見ながら、そう付け加えた…
「そう、そう…それが一番大事!!」
神楽は心の底から頷いていた…
ふたりの、やり取りを聞いていた貴女様は…
「はぁ~…神楽よ…
いい加減…姉離れしてくれないか?」
と、複雑な心境で答えた…