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慕情

第3章 紫仙の過去


「あぁ…姉上は、また溜め息を吐いたぞ?」

 神楽は貴女様を、からかった…

「はい、はい…
ところで…泡沫の方はどうだ…?」

 貴女様は、神楽の言う事を受け流し
今度は泡沫に聞いてきた…

「えっ?ぼ、僕ですか…?
う~ん…考えたことないですね…
それに、身体も弱いし…僕が死んでも
悲しまない相手なら良いですよ…?
僕なら愛のない相手を選びます…」

 泡沫は平然と答えた…

 すると、神楽と貴女様は…

「何を言っておるのだッ!?
泡沫が死んだら私は悲しいぞ?
我が弟の唯一の友なんだから…」

「そうだぞ?お前は余命一年を宣告されたが
五年も生きているじゃないかッ!!」

 神楽と貴女様は
泡沫の手を握り締め離さないでいた…

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