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慕情

第25章 夢と真実


「これは、これは…美しい宝石を転がした
ような赤子が、この世に誕生した…」

 刻下には珍しい色鮮やかな色彩で
巻き物の中に描写し始め…

「刻は流れ…御次は玉のような赤子が誕生…
その男児は腕白で悪戯好き…」

 神楽は
自分の衣に墨が付かないように器用に描き…

「うわぁ…神楽先輩…絵が御上手ですねぇ」

 姫利は感動していて…

「…ほぼ…春画に近いぞ…」

 王華は
汗だくになりながら、そう言うと…

「あぁん…王くん…汗だくだよ…?
もう僕…我慢できないよ…焦らさないで~」

 姫利は懐から手拭いを取り出し…
王華の汗を拭き始めた…

「ちょ、ちょっと…姫…皆が見てるから…」

 王華の鼓動は乱れ…

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