慕情
第25章 夢と真実
「好きにするが良い…」
老師様は一言だけ言うと
神楽に水晶玉を見せてあげた…
神楽は、じっくりと水晶玉を覗き込んだ…
老師様の言う通りだった…
神楽達と四神が出会う直前で濃霧が漂い…
見えなくなっていたのだ…
「一体…どういう事だよッ!?
何も写ってないじゃないかよッ!!
これじゃあ、まるで…
俺が嘘を付いてるみたいじゃないかッ!!」
神楽の鼓動は高鳴るばかりだ…
「ハッ!!そんな事で鼓動を乱しおって!!
鍛練が足りぬな…
寝惚けてないで、ささっと解散だッ!!」
老師様は
神楽に呆れたように、そう言うと立ち上がり
その場を
颯爽と歩いて自室の野営へと入って行った…