慕情
第27章 神楽と四神獣
【神楽と四神獣】
神楽は皆が解散した後、一人になりたくて
自分の野営には戻らず…考え事をしていた…
何故…
四神の姿は水晶玉には映らなかったのか…
四神からの
戦利品が図嚢の中に入っていないのか…
黄金に輝く桃の味だって…
ハッキリ覚えているというのに…
あれは絶対に夢じゃない…
確かに腕白で悪戯好きな青年の名を
聞く前に、いつも、そこで目覚めるんだ…
でも、それ以外は夢じゃない…
泡沫、宵闇、姫利、王華にも確かめたし…
神楽は考えていると…図嚢から違和感
を感じ手探りで中を確かめると…
「何で今頃…
四神からの戦利品が出てくるんだよ…」
神楽は動揺し…
ふらつき…太い木の幹に寄り掛かった…