慕情
第33章 異変
そう…泡沫は、また…
術者に呪詛返しをされていたのだ…つまり
術者の身体には縞模様の痣は残っておらず…
全て疲弊していた泡沫の身体に
跳ね返ってしまい…この始末だ…
この刻の神楽は、
まだ若く大切に育てられ目の前で大切な人を
失った事はなく冷静な判断が出来ずにいた…
だから…
神楽は図嚢から横笛と巻き物と筆を
取り出し…【禁忌の曲譜】を書き留め…
横笛を口許に添えて曲を奏で始めた…
「神楽ッ!!止めろッ!!
泡沫は…それを望んでいないッ!!」
宵闇は引き留めるが…
『駄目だよ…邪魔をしたら…
宵闇も死んじゃう…
だけど、このままじゃ神楽も…』
四神獣も動揺していた…