慕情
第33章 異変
「ねぇ義兄上…俺を褒めてよ!!
これさえあれば大切な人を失っても、
また蘇らせる事が出来るんだよ?」
神楽は不気味な笑みを浮かべながら
貴殿様に【禁忌の曲譜】の巻き物を
見せて、そう言うと…
「神楽…君は、やってはいけない事を
してしまったんだ…どうして…どうして…」
貴殿様は
顔を歪ませ優しく神楽を抱きしめた…
「やってはいけない事なの…?
どうして…?もし義兄上も姉上を失ったら…
哀しいでしょ?そしたら【禁忌の曲譜】で
曲を奏でたら姉上が死んでも蘇るよ?
みんなも幸せになる…
それよりも泡沫と宵闇の魂と身体は
何処に持っていくの?
もうすぐ目覚めるから…もう少し待って…」
神楽は正気を失っていた…