慕情
第33章 異変
「泡沫と宵闇は蘇らないよ…
私が印を結んだ…神楽…これ以上…
罪を犯さないでくれ…」
貴殿様は
神楽の隙を見て【禁忌の曲譜】を取り上げ…
優しく言い聞かせるが…
「どうして…義兄上は、いつも俺の味方
してくれるじゃない?それを返してよ!!
俺は罪を犯してないよ!?」
神楽は背伸びをして飛び回りながら
貴殿様から巻き物を奪おうとするも…届かず
「神楽…落ち着いて…これを…
今すぐ燃やす約束をすれば渡してやろう…
君にしか燃やせないからね…」
貴殿様は神楽に優しく伝えるが…
「分かったよ!!
術者にしか消せないもんね!!
ちゃんと燃やすから返してよ!!」
神楽は子供のように懇願した…