テキストサイズ

慕情

第33章 異変


「本当だね?もし約束を破れば…神楽…
もう君を護ってやれないよ…?」

 貴殿様は
切なそうに神楽に、そう言って…
【禁忌の曲譜】の巻き物を渡してしまった

 神楽は嬉しそうに
貴殿様から巻き物を受け取ると…

「うん…ああ…
やっぱり…約束は護れないや…
だから義兄上も俺の事を護らなくても
良いよ?姉上が、もし死んでも義兄上は
哀しまないんでしょ?
俺の気持ちも分からない奴は
俺の味方でも、なんでもないよ…」

 神楽は憎しみを込め笑顔で
貴殿様に反発したのも束の間…

「神楽…すまない…
少し大人しくしてくれるかい…?」

 貴殿様は、そう言うと…
脛椎のツボを押して神楽を気絶させた…

 神楽の身体は崩れるように
倒れそうになった所を貴殿様は抱き抱え…
泡沫の野営から出て行った…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ