慕情
第4章 御祝いの品
春画帳に麝香(ジャコウ)…
銀の鈴を手渡した…
貴女様は…
これを見るなり更に頬を染めて…
「…神楽よ…春画帳に麝香は良いとして…
銀の鈴は…早くはないか…?」
そう伝えるので精一杯であった…
「えっ?そうかな?簪や櫛…玉佩や紅豆…
絹の反物は、もう持っているでしょう?」
神楽は…
平然とした態度で…続けて…
「銀の鈴は義兄上と姉上の御子に…
俺の神仏の力を少し流し込んで
魔除けの御守りにしたんだよ?因みに…
御子の名も考えたんだッ!!」
神楽は嬉しさのあまり先走り…
身振り手振り熱弁していた…
「か、神楽…春画帳に麝香…って…」
泡沫の鼓動は乱れるばかりであった…