慕情
第38章 惜別…
そう、老師様は神楽に術をかけた…
幽蘭の術を解いて自分に吸収させる変わりに
神楽は、それを思い出そうとすれば、
する程…体調を崩すように術を掛けた…
「神楽よ…深く考えるな…もう寿命だよ…
泡沫も病で、この世を去り…宵闇は、それを
哀しみ…泡沫の後を追うように自害した…」
ただ…それだけの事だ…
老師様は神楽に優しく言い聞かせた…
「え…?今…何て…?
泡沫は呪詛返しで死んだんじゃ…あれ…?
思い出せない…痛い…頭が…痛いよ…」
神楽の頭は割れるように痛く…
「深く…考えるな…最後に…私の仙人の力と
【仙人の領域】の管理者の称号を与えよう」
老師様は
最後の力を振り絞り神楽に遺言を遺した…