慕情
第38章 惜別…
「おい、おい…何、言ってんの?
そんなの要らねぇよッ!!」
神楽は、それを拒むが…
「神楽よ…今から…その名は棄てよ…
理由は聞くな…今日から、お前の名は…
紫仙…と名乗れ…」
老師様は
声を振り絞り神楽に、そう言った…
「はぁ?話を勝手に進めるな!!紫仙って…
若作り糞ジジイと同じ名前は厭だよッ!!」
神楽は老師様に食ってかかるが…
「古くさいか…?
高貴な名と言って欲しいな…その名と…
四神獣が…お前の命だけは護ってくれる…
それに若作り糞ジジイは…もう居ないぞ…」
老師様は…神楽に己の全てを渡して…
神楽に纏わりついていた幽蘭の術だけを
霊界に持って行き…
老師様のシワとシミだらけの身体と魂は
その場で消滅してしまった…