慕情
第41章 記憶…
「はぁ~…義兄上…俺、一人で育てるのは
無理がありますよ…?月詠を死なせても
知りませんからね…?
それに…義兄上…暇そうですね…」
柴仙は自棄糞状態に、なっていた…
「月詠は柴仙からの贈り物である銀の鈴を
身に付けているから簡単には死なないよ?
それより…一人で育てるのは無理か…
それも、そうだな…では…今は亡き老師様に
遣えていた信頼できる者が一人おったな…
この者と一緒に月詠を育てて貰うと良い…」
貴殿様は
広げた扇子をパシッと閉じて…
これは我ながら名案だ…と言わんばかりに
嬉しそうに独り言を呟いていると…
「何が、名案ですか…?いくら貴殿様の
命であっても無理ですね…」