慕情
第4章 御祝いの品
神楽は、
まだ見ぬ未来に瞳を輝かせていた…
「神楽よ…
育てるのは、そう簡単ではないぞ?
親代わりに
お前を育てたのは私なのだからな…」
そう、神楽にも貴女様にも
物心付いた頃には両親は居なかった…
なので、変わりに神楽は実の姉である
貴女様に育てられたようなものだった…
すると、そこへ…
「そうか、そうか…では、私達に御子が
産まれたら神楽に育てて貰おうかな…?」
と、背後から漆黒の衣に身を包み…
優しい声が聞こえてきた…
その人こそ【妖魔の領域】の管理者であり
神楽の姉上…貴女様の主人である…
貴女様は頬を染め…泡沫は緊張しながら
背筋を伸ばし…一礼して…