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慕情

第44章 救世主


 月詠は門番小僧の口許に、ついている
小豆を小さな指で取り、パクリと口に入れた

「はむ、はむ…ごくん…んま、んま…」

 月詠は嬉しそうに門番小僧の口許に
小さな紅葉手を、ぺち、ぺち…優しく叩き…

「あっ、月詠坊っちゃんが…小豆を
食べちゃいました…大丈夫でしょうか?
乳を飲ませなくて良いでしょうか…?」

 門番小僧は、そう言うと…
何故か、天と目が合ってしまい…

「えっ…?私の乳を飲ませるのですか?
私は…その…
女人ではないので乳は出ません…」

 天は恥ずかしさのあまり俯いてしまった

「あっ、違います…牛の乳があれば…
と思っただけで…きっと月詠坊っちゃんは
お腹が空いてるんじゃないでしょうか?」

 門番小僧は慌てて、そう言った…

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