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慕情

第45章 小休止…漆


【小休止…漆】

 天は妄想していた…そして、想わず…

「あの…紫仙様…
門番様と夫婦みたいだな…って、
どちらが旦那様で…
どちらが奥方様なのでしょうか…」

 天は満月に向かって呟いた…

「女を抱きたいなら旦那だな…
男に抱かれたいなら
奥方で良いんじゃねぇか…?
それより…俺は満月じゃねぇぞ?
聞く相手の目を、ちゃんと見て話せよ…?
おーい…聞いてんのか?」


 紫仙は門番小僧を呼び出した…
そして、思わず…

「おい…門番小僧…そのデカイ重箱に茶の
入った竹筒は、いつも持ち歩いてるのか?」

「違いますよ…誰だか知りませんが
差し入れで休憩所に置いてあるんです…
みんな怯えて小豆団子と最高級玉露抹茶に
手を出さないので、あたいが
食べてるんです…とても美味ですよ♪でも、
食べきれない時は弟妹に食べさせてます…」

 それを聞いていた天は…
門番小僧に抱かれたい…と想っていた…

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