慕情
第45章 小休止…漆
紫仙は自分の衣を川で洗濯していた
「お前なぁ…
糞をするなら…するって言えよなぁ…
なかなか取れねぇじゃんかよ…」
紫仙は文句を言い背中に
小さな温もりを感じながら、そう言った…
「あー、うー、きゃっ、きゃっ…」
月詠は、まだ短く…小さな手足を
バタつかせ喜んでいた…
「それより…
この衣…俺のじゃねぇ…泡沫の衣だ…」
ふと…紫仙は神楽だった頃の自分を
思い出してしまった…
「泡沫は確かに体が弱かった…
病で死んでもおかしくねぇ…だが…宵闇も、
それを追って自害するか…?
あの若作り糞ジジイも簡単に、くたばるか?
泡沫は呪詛返しで死んだ…
それは覚えてる…何かが…おかしい…
って、痛ぇ~…お前、何するんだよッ!?」