慕情
第45章 小休止…漆
月詠は紫仙の束ねている長い黒髪を
引っ張ったり口に入れたり遊んでいた…
「おい、おい…俺の髪は遊び物じゃねぇし
食い物でもねぇぞッ!!
あぁ…俺の髪も、お前の涎だらけ…!!
もう良いッ!!俺は怒ったぞ!!」
紫仙は月詠に、そう言うと…
二人で川に飛び込んだ…
「うっきゃきゃ~…あー、うー♪」
月詠は短い手足をバタつかせ
大きな瞳を輝かせ大はしゃぎ…
「どうだ…?川の水は気持ちいいだろう?
だけど、小便はするなよ?」
紫仙は月詠に言い聞かせたと同時に…
二人で身震いしてしまった…
「良いか?この事は…天や門番小僧には
秘密だぞ?男の約束だ!!護れるな?」
紫仙は月詠に言い聞かせた…
「…ぅ、ぅん、ぅん…あー、うー…」
月詠の視線の先を見ると…
天と門番小僧が川辺に仁王立ち…