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慕情

第47章 月詠の人柄


【月詠の人柄】

「紫仙様…お待ちください…私が作り直して
きますから…どうか気を静めて下さい…」

 月詠は心配そうに慌てて
居間から厨房へ向かう紫仙を制した…

「お前の味付けも、
コイツらと同じで甘党だろうッ!!
俺は辛党なんだッ!!」

 紫仙は月詠を押し退け厨房へ行き
自分で中華鍋を取り出して肴を作り直した…

 そして色鮮やかな真っ赤な原色…
刺激的な香りが漂い…それが
 天と小豆と月詠の目と鼻に纏わりつき…
三人は裾で鼻から下を覆い…眉をひそめた…

「あの…紫仙様…あまり辛いのを
食べすぎると身体に障りますよ…」

 月詠は紫仙に優しく、そう言うと…

「月詠も俺に説教するのか!?」

 と、紫仙の機嫌は直らず…

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