慕情
第49章 十七の儀
「そう言ってくれるだけで俺は救われる…
ほら…さっさと行け…当分、帰ってくるなよ」
紫仙は照れ臭そうに、そう言うと…
「はい…紫仙様…
今まで私を育てて下さり感謝致します…」
月詠は深々と挨拶をすると…
「おや、おや…私達には挨拶はナシですか?」
「そうですよ…
月詠坊っちゃん…大切な物を忘れてるぞ」
と、後ろの方から天と小豆の声が聞こえ…
小豆は月詠に図嚢を手渡した
「フンッ!!お前らがイチャついてたから
月詠も声を掛けづらかったんじゃないのか?」
と、紫仙は二人を茶化し…
それを聞いた月詠は
恥ずかしくなり俯きながら…
「あっ、あの…天様、小豆様も、
ありがとうございます。感謝致します…」
と、深々と挨拶をしたのだった…