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慕情

第49章 十七の儀


「月詠坊っちゃん…早い事はないですよ…」

 天も顔を綻ばせ…

「これから
旅に出られるなら相手を探すのもアリだな」

 小豆も笑いを堪えていた…

「もう、皆で私を、からかわないで下さい…
旅の目的は
両親に挨拶と各地で鍛練を積む事です!!
此処に居ては
甘えてしまって鍛練になりませんからね!!」

 月詠は恥ずかしくなり踵を返すと…

 何もない処に
手をかざして…扉が出現し…開かれた…

「では、私は当分、此方には帰ってこないので
今まで、ありがとうございました!!」

 月詠は捨て台詞を言うように…
【神仏の領域】に行ってしまった…

「あっさり行ってしまったな…」

「なんか、物足りんな…」

「もう、二人が月詠坊っちゃんを茶化すから」

 小豆、紫仙、天の心は無になっていた…

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