テキストサイズ

慕情

第4章 御祝いの品


「これの何処が恥ずかしいのかな…?
私には、さっぱり分からぬな…
自然の理ではないのか…?」

 貴殿様は貴女様の瞳を見つめ…
何食わぬ顔で、そう言ったのだった…

「そ、そうですね…」

 貴女様は頬を染め同意した…

「そうであろう…?自然の理とは…
雨が降るなら傘をさす…これもまた然り」

 貴殿様は
春画帳の表紙を貴女様に見せた…

「え…っ?同じこと…でしょうか?」

 貴女様は困惑していた…

「そう、同じこと…雨が降っているのに
傘をささなければ…雨で衣は、ずぶ濡れに
なってしまうだろう…?そなたの濡れた衣を
脱がすのは、この私しかいない…」

 貴殿様は支離滅裂な事を言い出した…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ