慕情
第50章 神仏の領域
「なるほど…それで警備が固いのですね…」
月詠は、
口は軽いけど…と言う言葉は飲み込んで…
「でも、その幼子は
何故、両親を殺害したのでしょう?」
月詠は独り言のように呟くと…
「妖魔の幼子は覚醒すると暴走しやすい…
自分で制御出来なかったのだろう…
鍛練が足らんと歯止めが効かなくなるから…」
それを聞いた月詠は…自分は恵まれていた
のだな…と改めて思った…
妖魔の幼子に限らず、どの領域の幼子も
覚醒すると制御出来なくなる…
制御の仕方は
周囲の大人達が教えるのが義務であるからだ
月詠の場合は離れ離れになっている
両親の代わりに紫仙や天、小豆の教えのお陰
で何とか成長できたのだから…
月詠が考え込んでいると…