慕情
第54章 複雑な心境…
月詠は幼子に柔らかい口調で言った…
「でも僕…
お友達が待ってるかもしれないから…」
その幼子は俯き落ち込むように言うと…
「お友達?
【妖魔の領域】に、お友達がいるのかい?」
月詠は然り気無く聞いてみた…
「うん…
でも月詠お兄ちゃんに付いていくッ!!」
幼子は
悩んだ末に月詠に付いて行くと言った…
「良いのかい?その、お友達は坊やが
突然、居なくなって寂しくないかな?」
月詠は確認の為、聞くと…
「うん…大丈夫…ちゃんと、
バイバイ、またねって約束したから…
それに…月詠お兄ちゃん…優しいから…」
その幼子は少し元気が出たようで
少しずつ喋るように、なっていた…