慕情
第4章 御祝いの品
「ねぇ、お二人さん?
そこでイチャつくのは良いけど…
風邪引かないようにね…?それから…月詠が
産まれたら…俺の事は叔父上じゃなくて…
神楽兄ちゃん…って呼ばせてね…?」
と、言って神楽と泡沫は軽く会釈をして
小雨のうちに、その場を立ち去ってしまった
取り残された二人は…
「そろそろ、そなたの寝殿に行って
これを見ながら…
ゆっくりと過ごすとしようか…?」
貴殿様は春画帳を見ながら
貴女様の膝裏と背中に腕を入れ…抱え…
足早に貴女様の寝殿へと
向かったのだった…
貴女様は俯いたまま…しっかりと貴殿様の
胸に顔を埋め…鼓動は早く乱れるばかり…
貴殿様は冷静を装っていた…