慕情
第55章 悩んだ末に…
【悩んだ末に…】
月詠は何もない処に
手をかざして…扉が出現し…開かれた…
悩んだ末【仙人の領域】へ戻ったのだ…
何故なら、
この幼子を連れて長旅など出きるわけもなく
「此処は何処なの…?」
その幼子は
辺りを見回しながら不安そうに言った…
「【仙人の領域】だよ…安心して…
私の生まれ育った安全な場所…」
月詠は
安心させるように幼子に言った…続けて
「そういえば坊やの名を教えてくれるかい?」
月詠は然り気無く幼子に聞いてみた…
「…僕の名前は…ないよ…
親無し、貧乏人って言われてたから…」
その幼子は
先程とは違い感情もない表情で答えた…
それを聞いた月詠は…