慕情
第55章 悩んだ末に…
月詠は、そうか…と、一言だけ答えると…
夜空を見て…流れる霞む雲の
隙間から満月が覗いていた朧月…
「では私から坊やに名を与えよう…」
月詠は優しく聞くと…
「…うん…良いの…?」
その幼子は瞳を輝かせ、そう言うと…
「夜空を見てごらん…綺麗な朧月だ…
坊やの名は朧…どうかな?」
月詠は少し照れくさそうに聞いた…
「うん…
綺麗な名前を付けてくれてありがとう…」
どうやら朧は気に入った様子に…
月詠の反応は…
「そうか、気に入ってくれて良かった…
ところで、腹は減ってないかい?」
月詠は朧の小さな身体を気に掛けていた…
「うん…お腹空いてる…」
ぐぅ~~きゅるるる…と音が聞こえた