慕情
第55章 悩んだ末に…
「もしかして…
月詠お兄ちゃんも、お腹空いてるの?」
そう…
お腹の音は月詠から聴こえてきたのだ…
「アッハハ…バレてしまったか…」
月詠は笑って、そう言うと…
「笑って誤魔化すなッ!!
もう【仙人の領域】に戻ってきたのかッ!?」
柔らかい夜風が吹いたかと思うと
突然現れたのは…
「紫仙様ッ!?」
月詠は驚きながら、その名を呼んだ…
「その妖魔の幼子を勝手に連れて来るとは…
はぁ…まったく…誰が面倒を見るんだ?」
紫仙は、やれやれ…
と、溜め息を吐きながら、そう言うと…
「この幼子は私が成人の儀が終わるまで
責任を持って面倒を見ます…」
月詠は紫仙に、そう言った…
それを聞いた紫仙は…